奥穂高!
先週の三連休、友人と奥穂高岳を登ってきました。
初めて登る北アルプスの山。「まるで日本じゃないみたいな風景だよ」という友人の言葉に誘われて7月から計画して楽しみにしていた山行。
装備を整え、富士山&丹沢・大倉尾根のボッカ(歩荷)トレーニングで体を作り、井上靖の小説『氷壁』読んで気持ちを高揚させ、準備万端で当日を迎えた。
金曜、夜23:30新宿発の上高地行き夜行バスに乗るため、新宿の地下道を酔っ払いの皆様の流れに逆らい都庁のバスターミナルへ。あたりを見回すと登山者8:一般観光客2の割合。都会を歩いたら浮いちゃうようなでっかいザックかついだ登山スタイルもここでは多数派だ。
ところで余談だが、この上高地行き夜行バスの名前は「さわやか信州号」。しかし、いたって普通の観光バス。だから、“さわやか”に眠ろうと思っても首とお尻が痛くなってまずちゃんと眠れない。“さわやか”な目覚めは望めない。東京-大阪路線のような三列シートの夜行バスならば“さわやか”に目覚められるのかもしれない。
朝6:00上高地着。天気は快晴。上高地バスターミナルでは山行の身支度する人で溢れていた。さすがは北アルプスの玄関No.1の上高地。
ターミナルから少し歩くと河童橋からは全方向すごいクリア。景色がいいので河童橋そばのテーブルで朝食をとる。朝の新鮮な空気と素晴らしい眺望に眠気も吹き飛んだ(このときだけ)。
初日の行程は上高地→横尾山荘→涸沢ヒュッテまでの6~7時間の歩き。上高地から横尾山荘までは3時間少々の平地歩きだ。少し遠回りになるけど、僕らは梓川右岸(下流に向かって右)の道を選んだ。木漏れ日が素敵だった。
ほとんどの人は梓川左岸を歩くけど、左岸はただの砂利道って感じ。右岸のほうが梓川の美しい流れを間近に見れたり木道があったりと情緒溢れる散策ができると思う。お勧め。
明神池で左岸に渡り、横尾山荘への道は一本になる。登山する人にとっては苦痛でしかない平地歩き(靴底の固い登山靴で平地は歩きにくい)だけど、花が咲く季節に軽装でのんびりお散歩すると気持ちいいんだろうなぁと思う。
ほとんど徹夜状態であまりにも眠いので明神岳が良く見える河原でちょっと仮眠。そこから少し歩くと『氷壁の宿』の徳沢園があった。小説『氷壁』の舞台となった山荘。小説読んでから来たのでグッとくる。テント場の草地が綺麗。ここで仮眠とれば良かった。水がおいしい。
横尾山荘に10:00頃に着くとお腹空いたのでかなり早い昼食だ。この日泊まる予定の涸沢ヒュッテで名物・おでんと生ビールを夕食前に採るという前提の食料計画に変更。ご飯食べると荷物がだんだん軽くなる。うれしい~。
横尾山荘からが本当の山登り。横尾大橋を渡ってずんずん歩くと屏風岩が見える。国内最大級の岩場らしいがあんまりフォトジェニックではないという印象。この日はクライマーがいなかった。
さらにずんずん歩くいて本谷橋を渡る。びよよ~んと揺れる吊り橋。ちっちゃい吊り橋は一人ずつ渡るのが基本。なので、渋滞することもしばしば。脇に「お急ぎの方はどうぞ」と書かれた看板があり、木が沢に渡してある。いきなりこけそうなのでそんなとこは通らない。
本谷橋を渡った先は急坂なので鋭気を養うために河原で休憩するのが吉。ここから涸沢ヒュッテまで2時間少々。沢沿いの道はガレ場(岩がゴロゴロ)になってくるので足元注意。沢に落ちたら大変だ。
ゆっくりと上高地から歩いて7時間くらいで涸沢ヒュッテに到着。眠い中、我ながら良くがんばった。チェックインして部屋に荷物を置いたらお待ちかねのおでん&生ビール(1,400円)だ!それはもう言葉にならないくらいうまいのだ。展望テラスでぐびり。
僕等が着いたとき、涸沢カールの上方の奥穂高、前穂高、涸沢岳、そして涸沢槍もガスの中。明日は晴れますようにと祈るしかない。
夕飯は金目鯛の煮付けとハンバーグがメイン。山小屋の食事には全然期待していなかったけど、思った以上に良かった。生野菜もあったし。ヘリ荷揚ならでは、ってとこかな。ちなみに、トイレの便槽(500kg)もヘリで街まで持っていって処理するみたい。ウン悪く落としたら「大惨事」だ。
三連休の初日だけあって涸沢ヒュッテは大混雑。受付のお姉さん、すごいスピードでお客をさばいている。山小屋では、混雑時に一枚の布団に二人で寝るのは当たり前。ここでもデフォルトで一枚に二人分の枕がセットされている。がーん。
僕らの部屋は四人部屋でまだ四人までしかいなかったけど、18時過ぎとうとう「そのとき」がやってきた。あと二人同じ部屋に入ってくる。頭と足を入れ違いにして寝るのは嫌だったので僕らはシュラフ持参。布団は後から来たおじさんたちに譲って板の間でシュラフにくるまることにした。就寝時間は19:00前。早い!
二日目。山の朝は早い。4:00を過ぎるとガサゴソみんな動き出す。早く動き出せばハシゴや鎖場での渋滞を避けることができるし、朝のクリアな空気で雄大な景色を堪能できる。夜明け前、外に出ると前日のガスがウソみたいに晴れていた。
これはモルゲンロート(=山々が朝焼けで赤く染まること)を見るチャンス。出発を遅らせ、朝食をとってもまだ涸沢カールを見続ける。すると、段々ピンク色に辺りが染まってきた。日の出は5:30頃だ。
ぽけーっと口をあけたまましばし見入る。モルゲンロートに満足したところで出発。二日目は涸沢と奥穂高岳のピストンだ。
準備万端のつもりだったけど、ここでただ一つだけ準備できていなかったことを悟る。それは………相変わらず高所恐怖症が解消できていないこと。最近あまり気にしていなかったけど、手すりのない不安定な高いところに行くとビビッてしまう。わお。
それでも「絶対落ちない!」と念じながら急坂をぐんぐん登る。浮石に注意し、岩にしっかり足を載せ、ときには手を岩にかけ、落石を起こさぬよう慎重に登る。スリル満点。「手がかり」とか「足がかり」の意味を実感。少し慣れてきたところで振り返ると涸沢ヒュッテが小さく見えた。ふ~っ。
やっとこさっとこ穂高山荘に到着。ほっと一息。涸沢ヒュッテで用意してもらったお弁当を食べる。たくさんの登山者が休憩している。ここには涸沢から登ってきた人、前穂高経由で奥穂高から下ってきた人、北穂高方面から涸沢岳を通ってきた人、などといろんなルートからの人が集結する。
ここから奥穂高山頂までは1時間弱。さらに急登続き。いきなりハシゴと鎖場だ。ここは渋滞名所。三連休なのでたくさんの人が取り付いている。過去に怖くて泣き出して動けなくなった人も。
一瞬ひとがいないときがあったので、それ!っと出発。
ハシゴと鎖場は全然怖くなかったけど、普通の岩場のほうが緊張する。基本に忠実、三点支持で慎重に進む。速い人は先に行かせる。自分のペースで安全登山が一番。すると、上空にパタパタとヘリの音が聞こえてきた。事故?!前穂高方面へとヘリは飛んでいく。
しばらくして前穂高からやって来たという玄人っぽいおじさんがすれ違いざまに「さっき前穂で落ちたぞ。今シーズンはこの山域で10人くらい落ちてるから気をつけて登りな。」とありがたい忠告。どう気をつければいいのか分からないのでビビる僕。ますます慎重に歩を進める。
そんなこんなで奥穂高岳登頂!最初ガスって周囲がほとんど見えなかったものの、フッとガスが切れた。すると、穂高の象徴でもあるジャンダルムの勇姿が!
写真でしか見たことがなかったけどすごいド迫力だ。感動!鳥肌もの。ジャンダルムの上にいる人々にも感動!あんな怖いルート(登山地図上では点線)を歩くなんて。
じっと目を凝らすとカップルで歩いている人も。超ダイナミックなデートだ。ちなみに、奥穂高岳~ジャンダルム~西穂高岳というルートは、日本で最も困難な一般縦走路らしい。さすが北アルプス、「一般」の基準がやたら高い(^^;;。
山頂の眺望を満喫したら下山だ。下山も慎重に。でも、必要以上に怖くなることもなく穂高山荘まで降りられた。成長。穂高山荘でうどん(800円)をいただく。具沢山でうまい。涸沢まで下るエネルギーを補給。山荘の外に出ると、ピラミッドみたいな常念岳が爽やかな青空と雲の下に見えた。
穂高山荘から涸沢までの下山は順調。慣れてきた。でも、鎖場で最初に出す足を間違えて立ち往生しそうになってしまったのはマイナス10点。下山途中、右手を見ると前穂高の北尾根が綺麗なラインを描いていた。
この日は涸沢ヒュッテではなく涸沢小屋へ。名物のソフトクリームをいただきチェックイン。そして、お約束の生ビール&枝豆(1,200円)と味付たまご(半分で200円)だ。
ほっと一息。涸沢カールってゆりかごみたいで、包み込まれている安心感があるのだ。夜、十五夜の月が煌々と涸沢カールを照らし出していた。19:30就寝。この日は布団一枚丸ごとゲット。
最終日、朝起きてみると小雨が降っていて、あたりは一面ガスっている。前日降らなくて良かった。岩が滑って怖いから。小雨の中、慎重に来た道を下る。途中すれ違った登りのおばさんが「横尾では晴れていたのに…」と残念そう。かわいそうに。
そんなこんなで快足飛ばして11:00には上高地バスターミナルへ。風呂に入りたい気持ちを抑えてすぐさまバスの整理券をゲット。三連休最終日だから、早めに帰らないとバス待ち1時間以上ということになりかねない。そうなると周囲の人が殺気立ってきて恐くなるらしい。そそくさとトイレで着替え等を済ませて家路に着くのが吉なのだ。
残念ながら、今回は槍ヶ岳方面はガスで埋め尽くされていて視界無し。来年は常念岳か北穂高岳に登ってぜひとも槍を見なければ!
また新たな目標ができたのでした(^-^)。


























































































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