先日、恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館で開催中の3つの写真展、
- 球体写真二元論:細江英公の世界
- 光と影
- 日本の新進作家 vol.5 -地球(ほし)の旅人-
に行ってきました。
当初はネイチャーフォトの写真展「日本の新進作家 vol.5 -地球(ほし)の旅人-」が目当てだったのですが、せっかくだったので3つまとめてまわりました。
まずは『球体写真二元論:細江英公の世界』。
細江英公(ほそえ・えいこう)氏といえば海外でも著名な写真家ですが、実は僕はほとんど氏の作品を知りません。そんな状況で作品をひと目見た感想は“なんてエキセントリックなんだ!”。
特に、三島由紀夫を撮った「薔薇刑」は鬼気迫る作品。この撮影に当たって三島由紀夫は体を鍛えまくったとか(たまたまそばにいた細江氏ご一行がそんな話をしていました)。「薔薇刑」という作品は写真家と小説家の格闘の結果生まれたものなのかもしれません。
ちなみに、写真展で拝見した細江氏は和服姿の好々爺。細江氏は今も現役の写真家ですが、若い頃はもっとキレキレの鋭い感じの人だったのかな?と思ってしまいます。だって、あんな普通な感じの人が超エキセントリックな写真を撮るなんてちょっと信じられないので。
全般的に細江氏の作品はドロドロし過ぎてあまり好きなタイプの写真ではありませんでした。「おとこと女」の作品群の中の花を口にくわえている女性の表情には安らぎを覚えましたが、それ以外はちょっと僕のような凡人には味が濃すぎました。
好き嫌いはともかく、高度経済成長に向けて勢いのあった時代の空気を感じるにはいい作品たちではあります。
次は『光と影』。
過去から現在にかけての写真映像表現について作品をまとめた展示。フォックス・タルボットから始まって各時代の先進的な写真が展示されていてとても勉強になります。
写真自体にテーマがあるというよりも、写真映像表現の歴史をみていくのが目的の展示でした。
最後はお目当ての『日本の新進作家 vol.5 -地球(ほし)の旅人-』。
これは菊池哲男、前川貴行、林明輝(りん・めいき)の三氏のネイチャーフォトの写真展です。サブタイトルには“新たなネイチャーフォトの挑戦”とありますが、三氏ともに別に新人ではなくかなりのキャリアを持つプロの写真家です。
菊池哲男氏の作品は白馬岳を中心にした山岳写真。白馬山域への愛情が伝わってくるような作品で清々しさを感じます。昨年白馬岳に登ったばかりなので一枚一枚に感情移入してしまいます。
前川貴行氏の作品はハクトウワシ、クマ、シカなどなどの動物写真。特にアラスカのハクトウワシの写真やでかいマスをくわえたアメリカグマの写真は迫力満点。いまにも動き出すのではないかというくらい。
林明輝氏の作品は山岳写真ならぬ“山麓ネイチャーフォト”。残雪のスプーンカットの先に紅葉が見える雨飾山での写真は日本の自然風景の素敵さが凝縮されているかのよう。素晴らしい透明感。
それぞれ素敵な写真なのですが、林明輝氏の写真がとても新鮮で気になって仕方ありません。なんとも言えない一瞬をとらえていて。上梓している三冊の写真集を見てみたくなりました。
何はともあれ、たまには時間を作って写真展に行くのもいいものです。
最近のコメント