先日、国立新美術館にポンピドー・センター所蔵作品展『異邦人(エトランジェ)たちのパリ 1900-2005』を見に行ってきました。
この国立新美術館、「六本木に新しい美術館」という触れ込みですが最寄り駅は東京メトロ千代田線乃木坂駅。乃木坂駅からは美術館に直結されているのものの、正面玄関は六本木駅側です。乃木坂駅から行くと西入口から入ることになってしまいます。西入口っていっても雰囲気は裏口。初めて行かれる方は六本木駅から行くほうがいいかもしれません。
千代田線をこよなく愛する僕としては、六本木ヒルズ側の美術館との連動性を高めるためとは言え最寄り駅の扱いがアンフェアだという印象です。ただ、乃木坂側のチケット売り場で連呼しているアナウンスには助けられたので良しとしましょうか。アナウンスを聞くまでは“異邦人”を“いほうじん”と思っていたので。ひとに言う前に“エトランジェ”って分かってよかった。
前置きが長くなりましたが、この作品展は見ていてほんと楽しい!先日のオルセー美術館展よりも個人的には好き。順を追って一通り作品を見ていくとパリの(フランスから見た)外国人アーティストの活き活きした姿が想像できるし、現代美術の流れがざっくり分かったりして大変勉強になります。中学生のときにこんな美術展を見れたら良かったのになと思います。
もちろん個々の作品も魅力的。絵画ではレオナール・フジタ(藤田 嗣治)の『友情』の緻密で柔らかな表現に吸い込まれ、マルク・シャガールの『エッフェル塔の新郎新婦』にはほのぼの。ブロンズ像ではコンスタンティン・ブランクーシの『眠れるミューズ』の無駄のない的確な表現に驚き、写真ではオノデラユキの『古着のポートレート』のお洒落さににんまり。
相変わらず抽象表現は僕には理解不能ですが、錯視を利用して動きがあるように見せるキネティックアートは単純に面白いし、抽象画全般も絵画というより一つのデザインとして見ると秀逸だと思います。特にザオ・ウーキーの『青のコンポジション』には目が釘付け。この絵をモチーフに古代ギリシャのドレスみたいなものを作ると素敵なんだろうなと思わせます。
そんな沢山の魅力的な作品たちの中でも一番気に入ったのはパブロ・ガルガーリョの鉄の彫刻作品『フルートを吹くアルルカン』。ほどよい大きさ(1m弱)で可愛らしいし、溶接されて作られた絶妙な空洞がこの彫刻に表情を与えています。同じ部屋に展示されているフアン・グリスのアルルカンのキュビズム的な絵画との対比も面白さを増幅させているのかも。
ちなみに、この企画展は『ポンピドー・センター所蔵作品展』となってますが“ポンピドー”っていうより“ポンピドゥー”というほうが発音的にはフランス語に近いはず。その昔、モントリオール(=フランス語圏)から来たカナダ人研究者が「向こうではお腹一杯になったとき“お腹がポンピドゥー”って腹をポンっとたたくんだぜ」って教えてくれたので。
これって彼だけの駄洒落かもしれないけど(笑)
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